WAVESのウェーブルシンセサイザー、Codex Wavetable Synthをレビューします。
本機はウェーブテーブル、Elementsはヴァーチャルアナログ、Flow MotionはFM音源ハイブリッドということで、エフェクトの帝王Wavesが手掛けるシンセ御三家のひとつです。
ここ数年、シンセサイザー方式の定番となった「ウェーブテーブル方式」を用いたシンセサイザー。
リリースされて5年以上が経過しておりますが、どのようなシンセなのか今一度しっかり掘り下げて見たいと思います。
※この記事は2019年11月29日に投稿されたものに、加筆修正しました。
WAVES Codex Wavetable Synth
Codex Wavetable Synthは、グラニュラー・ウェーブテーブル・シンセシス・エンジンを搭載した2オシレーターのウェーブテーブルシンセです。
グラニュラー・ウェーブテーブル・シンセシス・エンジンとは、名前のとおり、グラニュラーとウェーブテーブルを組み合わせたシンセサイザーです。
ウェーブテーブル波形をグラニュラーで動きをつけて複雑な音作りが可能、そんな感じ。
シンセエンジンがキモ
Codexの心臓部であるグラニュラー・ウェーブテーブル・シンセシス・エンジンがこのシンセのキモとなっています。
他のセクションは一般的なシンセとそれほど変わらないため、ここを抑えてしまえば概ね理解できると言っても過言ではありません。
ウェーブテーブル波形は64種類用意されています。
これらの波形を選択して使用するというところは一般的なウェーブテーブルシンセと同じなのですが、ここにグラニュラーを組みわせるのがCodexの真骨頂。
ポイントはグラニュラーの仕組み、コントロールがとても分かりやすいこと。
視認性の良さも手伝って、何がどうなっているのかが一目瞭然です。
まずはプリセットを選択して、パラメーターを調整してみましょう。
- START ウェーブスキャンの開始点
- MID ウェーブスキャンの中間点
- END ウェーブスキャンの終点
- SPEED ウェーブスキャンのスピード
ここを調整するだけでもかなり面白い音作りを行うことができます。
スピードをゆっくりにすることで動きのあるグラニュラーパッドなど、波形との相性もありますが、うまくハマればとても幻想的なサウンドが短時間で作成可能。
エッジの効いたサウンドも作成できますが、全体的に上品な音の方が得意なのかなと感じました。中高域で聴かせるサウンドが美しい。
手持ちの波形をインポートできる
手持ちの波形をインポートできます。
いかにもウェーブテーブル波形!というもの以外もインポートできるので、ドラムのループ素材を取り込むとこのような感じに。
前半が読み込むループ素材、後半がCodexで取り込んで変化した音です。
取り込まれた波形は、ウェーブテーブルに自動変換されます。思いっきりシンセ波形になりますねw
このように手持ちのファイルを活用できるので音作りのソースは無限と言えます。
あまり長いサンプルは読み込めないようで、5秒くらいまでが適しているとマニュアルにも記載があります。
プリセットは即戦力な音が多い
プリセットは数百種類用意されており、現代的な音色とRoland JVシリーズなどに含まれていそうなPCMシンセ音色のようなものが、7:3くらいの印象です。
全体的に汎用性が高いサウンドが多く、奇をてらった音色は少なめ。
エグい音作りは手持ちの波形でいくらでも生成すれば良いので、プリセットは即戦力で使えるものが多い方がありがたい。
一通りプリセット鳴らしてを眺めているだけでも、グラニュラー波形がアニメーションするので、先述したパラメーター調整の参考になります。
「ここの部分を切り出してベルの音を作っているのか」という具合。
負荷について
4音鳴らすと概ねこのくらい。許容範囲ですね。安定感はあります。
当方環境です。
- OS・・・windows10 64bit
- CPU ・・・Intel Corei7 3.2G
- メモリ・・・32GB
さいごに
WAVESのシンセサイザーは使いやすく、実直なものが多いですね。
ハード音源が好きな方が気に入りそうな音色がたくさん詰まっているのが意外でした。
即戦力として使えるシンセなので一度試してみて下さい。
ではでは。