APIとSSLのハイブリッドって、意外と新しくない?
ガッツリ潰して心地よさを取るのか、ダイナミクスを残して潰すのを控えるのか…コンプレッサーの音作りって難しいですよね。
Model 5000は、シンプルな造りでありながら、その両方を実現しつつ、幅広い音作りを実現するプラグインです。
Model 5000
APIとSSLのコンプ2種をハイブリッドにエミュレートしたであろう、パワフルなVCAコンプレッサープラグインです。
キャラクターは割と濃いめ、ミックス段の音作りから、バス/マスター段での接着効果まで、とても使い勝手の良いコンプ。
プリセットも数はそれほど多くないものの、それぞれが役割をキッチリ果たすセッティングになっているため、それほど迷うことはないでしょう。
加えて、コンプ自体の操作項目もそれほど多くないため、耳で聴きながら心地よい具合に調整するだけで、だいたいの音は決まります。
コンプレッサーあるあるですが、深めにかけると気持ち良いけど、潰れ過ぎてダイナミクスが足りなくなる場合ってありますよね?ちょっとボヤけた音になったり。
そこで活躍するのが、アナログソリッドステートスタイルのサチュレーションを付加する[TransX]ボタン。
ガッツリ潰してもトランジェントに力強さを加えてくれるので、心地よさとアタック感の両方を享受できます。
音について
非常に心地よい音にまとめてくれるので、ドラムはもちろん、ピアノやアコギ、ベースなどにもマッチします。
月並みな表現なのですが、プロっぽい音になるんですよね。
ロックなどに合いそうな心地よい潰れたサウンドから、パツパツのコンプサウンドまで、守備範囲が広いです。
どちらかというと、ガッツリ深めにかける使い方をすると、Model 5000の良さが出るのかなと。
低域の締まり具合も良いですね。迫力を損なわずうまくまとまります。
CPU負荷
オーバーサンプリングを使用しなければ負荷は軽いです。
オーバーサンプリング8倍だとこれくらい。負荷は高いですが、きめ細やかで品のある質感になるので、ここぞという所では是非使用したいところ。
計測環境は以下のとおり。
- OS ・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ・・・64GB [DDR4-3200 16GB×4]
- DAW・・・Cubase Pro 10.5
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
さいごに
心地よく潰しつつ、パッツンサウンドになるコンプが好きな方はハマるかと。
特にドラムトラックに挿してみて欲しいです。
「ハードウェアクオリティ」を謳うTone Empireがたどり着いたひとつの答えが、APIとSSLのハイブリッドだったということでしょう。
ではでは。