moogエミュに食傷気味な方、ちょっと待った!
高品質プラグインをリリースし続けるSoftubeからmoogを精巧に再現したプラグインが登場。
さすがはSoftube、moogエミュというレッドオーシャンでも存在感バリバリです。
Model 72 Synthesizer System
オリジナルのmoogを細部まで完全にエミュレーションしたプラグインです。
数々のアウトボードやエフェクター、コンソールに至るまで質感を損なうことなく再現してきたSoftubeが、その技術力を持ってmoogを再現。
モノ仕様で、エフェクト非搭載という部分まで実機と同じですが、いくつかの機能は現代的で、ダブリング、ステレオスプレッドなどが搭載されています。
ただし、良い意味で実機の雰囲気を損なわない機能ばかりで、余計なことをしないないところに拘りを感じます。
音について
いかにもアナログシンセという生々しい音の質感が素晴らしいです。
びっくりするほど有機的なサウンドで、他のシンセと比較するととてもよく分かるかと。
一聴してソフトウェアとは思えないほど、太く存在感があるので、実機を検討中の方は是非一度試して欲しいレベル。
挙動が他のシンセとは一線を画しているため、moog好きはもちろん、シンセは電子音だから抑揚がない、という人にオススメできます。
moogにめちゃくちゃそっくり!というよりは、アナログシンセだな!という感じ。
The Legendとの比較
個人的moogエミュ最高峰の位置づけをしているThe Legendと比較してみましたが、甲乙つけがたいです。
どちらも濃いアナログで、実機に肉薄するレベルですが、結構違いがありますね。
Model 72はモノ、The Legendはポリ。
質感はModel 72の方が若干マイルドながら滑らかで、The Legendの方が抜けが良い感じ。
しかし、アナログ感、実機を触っている感があるのはModel 72ですかね…実機に酷似しているGUIのせいもあると思いますが。
ピーキーで暴れ馬でながらジェントルなModel 72、超優等生なmoogでありながらモダンスタイルのLegendと言った感じ。
双方ともに素晴らしいことを前提に、似てるサウンドが欲しい人はLegend、当時の感覚や楽しさを味わいたい人はModel 72なのかなと。
これはSoftubeとSynapse Audioが再現したハードウェアの状態の差(個体差)と言えるかもしれません。
Modularのアドオンとして使用可能
Model 72の全てのセクション(7種類)はモジュールごとに、同社のユーロラックシステム「Modular」のアドオンとして使用可能です。
シンセマニア悶絶のかなり強力なオマケですね。
Guitar AmpではMODEL 72 FILTERが使用可能
同社のAmp Roomユーザーは「MODEL 72 FILTER」をモジュールとして使用可能になります。
強烈な効きのフィルターにドライブを搭載した非常に強力なモジュールです。
CPU負荷
モノシンセなので単音での計測となります。
計測環境は次のとおり。
- OS ・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ・・・64GB [DDR4-3200 16GB×4]
- DAW・・・Cubase Pro 10.5
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
さいごに
サウンド以外の大きな要素として、実機の操作性に慣れ親しんだ方であれば、Model 72はそのまま使えるのではないでしょうか。
フラッシュバックするレベルで楽しめる気がします。
アナログシンセ、moog好きなら買って損なし。