oz8-intro
機械学習による自動マスタリングツールがDTMer界を席巻しておりますが、もっともメジャーなのは、その代名詞とも言える、iZotope Ozone 8ではないでしょうか。

科学的に考え抜かれた技術が結集しており「自分でやるより良い感じになる!」という声多数のマストバイなツールです。

「音楽と数学はひとつになる」iZotopeはミュージシャンをクリエイティブにするイノベーターだ

そんなベストセラーなOzone8は11種類のプラグインで構成されています。

今回は、その11種類のプラグインを一つずつ調べて、もっとOzone8を知っていきたい!という勝手な企画でございます。どうぞお付き合いください。


Ozone 8 Advancedとは
至る所で紹介されていますし、業界スタンダードともいえるツールなので詳細は割愛します。

ざっくり言うと、自動解析機能を持った全自動・高品質マスタリングツール。

自動解析によるマスタリング機能「マスターアシスタント」、リファレンスとの比較が簡単にできる「トラックリファレンス」、自動ミキシングソフトNeutron2との連携によりミックスとの融合も果たす「トーナルバランスコントロール」など、本当に強力な機能を搭載しています。


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先述したとおり、Ozone8 Advanceは11種類のエフェクターで構成されており、それぞれを個別プラグインとして使用することも可能です。

自動の部分は他の記事にお任せするとして、ここではそれぞれのプラグイン単体に焦点を当てていきます。

Ozone 8 Dynamic EQ
EQ
マルチバンド(最大6バンド)のダイナミックイコライザーです。視認性も操作性も申し分なく音もナチュラル。

ダイナミックイコライザーと言えば、「bx_digital dynEQ V2」や「TDR Nova」、それから割と最近リリースされた「Waves F6」などがあります。

どれも優秀なプラグインで甲乙つけがたいw

他のプラグインとの大きな違いはフィルターモードが「Analog(FIR:有限インパルス)」「Digital(IIR:無限インパルス)」の2種類から選択できる部分。

ざっくりですが、Analogは質や艶を保ちたい場合、Digitalは速さやダイナミクスを保ちたい場合に選ぶ感じ。

結構違いがあるので、耳で確認して素材に合う方を選択するのがよろしいかと。

Ozone 8 Dynamics
dynamics
最大4バンドのダイナミクスをコントロールできます。

4マルチバンドの、コンプレッサー、エキスパンダー、リミッターが搭載。

例えば低域だけの音圧を上げるなどが簡単にできるわけです。

ガッツリ効く感じではなく、自然です。


Ozone 8 EQ
normal eq
最大8バンドのパラメトリックイコライザーです。

さすがマスタリンググレードなだけあって、音はとてもナチュラル。ブースト・カット共にわざとらしさがなくてめっちゃいい感じです。

ハイをブーストしてもデジタルの刺さる感じがありません。カットは音が細くならないのがイイ。

使いやすいし言うことないですね。

Ozone 8 Exiter
exiter
最大4バンドのマルチエキサイター。音を足して音作りをしていきます。

それぞれのバンドで7種類ものタイプが選択可能。

・Analog
・Warm
・Retro
・Tape
・Tube
・Triode
・Dual Triode

キャラクターはそれぞれ個性がありますが、どれも滑らかに効いてくれるので耳に痛い感じはないです。

で、ソロ機能によりどのような音の変化があるかをバンド毎に確認できるのが便利です。

Ozone 8 Imager
imager
4つの帯域別にステレオ感を操作するプラグイン。

広げることも狭めることもできます。例えば、低域を締めて中高域を広げるなんてことがワンタッチです。

めちゃくちゃ自然に広がるのでクセになるw

こんな風にしたかった!って思えるくらい気持ち良いかかり方します。もう詰めたパン設定とかどうでもよくなる(よくない

帯域幅の設定変更カンタンなので、素早く、キメ細かく調整が可能。今まで使用したイメージャーでは最も使いやすいし、それっぽくなります。


Ozone 8 Maximizer
maximizer
5種類の「インテリジェンスリリースコントロール」モードを搭載しているマキシマイザーです。音圧上げですね。

・IRC LL・・・IRC Ⅰの低レイテンシー版
・IRC Ⅰ・・・自然に音圧を極大化
・IRC Ⅱ・・・IRC Ⅰと似ているものの、音圧を上げてもIRC Ⅰより少々シャープでクリア
・IRC Ⅲ・・・アグレッシブ
・IRC Ⅳ・・・オールマイティ

ざっくりこんな感じです。

更にIRC Ⅲには4種類、IRC Ⅳには3種類タイプがあるので実質10種類のキャラクターを使い分けることが可能。

自身で使い分けるのは修練が必要ですが、マスターアシスタントを使う前提であれば選択肢は多い方が良いですよね。

Ozone 8 Spectral Shaper
shaper1
ozone8から新たに加わったプラグインです。

ディエッサーのような効果があり、高解像度にて潰し方を調整できます。

これは他のプラグインにもある機能ですが、波形表示を変えながらターゲットを絞ることができます。

Ozoneのプラグインは視認性が高いことと、ある程度共通したGUIなのが良いんですよ。理解が早くなるメリットだと感じています。

派手なGUIやアウトボードを模したプラグインも好きですが、これはこれで時短には最適です。
shaper2
Ozone 8 Vintage Compressor
vintage comp

これまで存在したことのない、正確にアナログをエミュレートしたコンプレッサーであると言えます。我々はビンテージアナログコンプレッサーの持つ最高の要素を掛け合わせてこのアルゴリズムを作り上げました。

※公式マニュアルより

フィードバック方式(入力ではなく出力検知型)のコンプレッサーを忠実にエミュレートしているとのこと。

フィードバック方式はCPU負荷や遅延の問題があるとのことですが、その部分をクリアしたアルゴリズムで高品質なビンテージコンプを再現しています。

iZtopeが自信満々なだけあって、味付けは薄め、滑らか、クリアなコンプです。

周波数帯に応じた感度を調整することが出来るのでかなりきめ細やかなコンプレッションが可能。

キャラクターを「Sharp」「Balanced」「Smooth」の3種類から選択できるのも良いですね。

効果もわかりやすく、使いやすいです。
Ozone 8 Vintage EQ
vintageEQ
先述したEQもあるんですが、Vintage EQも用意されています。

1950年代を代表するイコライザー、Pultec EQP-1AとPultec MEQ-5を基に設計されています。

こちらは整えるというよりも結構思い切って音を作る感じ。効果もわかりやすいです。

ざっくり味付けするEQですね。

WavesのPuigteqと比較してみました。
IMG_4384
もう全く別物です。低域は艶があり、高域は抜けは良くなるものの刺さりません。Wavesはその逆です。

Wavesには申し訳ないですが段違いでしたね。


Ozone 8 Vintage Limiter
vintage limiter
Ozoneの要の一つと思われる、Limiterです。真空管コンプレッサー/リミッターであるFairchild 670を基に設計してあります。

Analog、Tube、Modernと3種類から選択可能。

かなり音が変わります。思い切って味付けするリミッターです。

Plugindoctorで測ってみました。50Hzが元の波形です。

Tube
vintage limiter

Analog
vintage limiter analog

Modern
vintage limiter modern
音の明るさ、硬さは、Modern>Analog>Tubeな感じですかね。

EDMなど今どきのカッチリクリアなものにはModernが合いそうです。味付けはそれぞれ個性的ですが、結構潰しても立体感は損なわれません。

こちらも、WavesのPuigchildと比較してみたのですが、立体感が全く違いました。Wavesはノッペリと潰れるのに対して、iZotopeはクリアでダイナミクスをしっかり保ちます。

あえてペタッとするサウンドが好きな人はWaves好みって人もいそうです。

Ozone 8 Vintage Tape
vintage tape
どうですかこの男前なGUI。世のテープシミュレーターは、そのほとんどがリールが回ったりしてDTMerの気分を盛り上げてくれるものばかりですが、Ozoneはシンプルイズベスト。

しかし、ここまでシンプルなGUIのテーププラグインも珍しいですねw

見た目は置いといて、しっかりテープの質感が出ています。味付けはやや薄目かなと。自然にハイが柔らかくなる感じ。
ozone -18
ちなみにSlateDigital VTMはコレ。比較材料として掲載します。
vtm input-18
ここまでキャラが異なると使い分けでそれぞれが活躍できそうです。
全体的な音の傾向について
StockSnap_J6RKMHOQBO
全体的にイマドキな音だなと感じました。基本的にスッキリ、カッチリしたクリアな音になるイメージ。

もっとプリセットを上手く使ったり、Ozoneのアシスタント機能に頼るなどすれば更なる実力が引き出せるのかもしれませんが・・・。

GUIのせいもあるかもしれないけど、暖かみがあるアナログ感な音は他のプラグインの方が良いのかな。今のところはそう感じてます。

あくまで個人の感想です。

さいごに
いかがでしょうか。

想像以上にそれぞれのプラグインの質は高いです。どれをとっても単品で使えるレベル。

ただ、GUIはシンプルなので、ヴィンテージ〇〇、テープ〇〇なんて言われても、イメージが湧きづらいかもしれません。この辺は割り切りが必要です。プラシーボ無しです。

全体のイメージとしては、それぞれのプラグインの役割がクロスオーバーしている感じ。同じような役割を持ちつつも、状況に応じて選択肢が豊富にあることはサウンドを突き詰める上で重要なのかなと。

例えば同じ「ハイを柔らかくする」作業でも、EQを使うのか、テープを使うのか、コンプを使うのか人それぞれというか、状況によると思うのですが、その中で最適解を示してくれるのがOzone。

凄腕のエンジニアがプラグインを選択してくれている感覚と同じなのかなと。個別にプラグインを検証してみることで新たにOzoneの素晴らしさ、AIの進化を感じます。

プリセットだけではなく、リファレンスに合わせていくとなると手段が多くなければ不可能なので、これだけのプラグインを内包する必要があるということですよね。

個別で使用しても十分活躍するプラグインばかりですが、やはりAIを十分に堪能するべきだなと。

導入を検討している方は是非。時短になる、マスタリングのクオリティが上がること間違いなし。

ではでは。


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