izotope
Ozone などのマスタリングソフトをはじめ、次々と革新的なプラグインをリリースし続けるiZotope。

先日発売されたミキシングプラグインNeutron は国内ベンダーで品切れ状態となるヒットとなっています。

ぼくも早速購入して勉強中でありますが、DTM界隈では「ミキシング2.0の時代がはじまった」「2016年プラグイン業界の革命」と評判は上々。

そんなDTMプラグイン界をリードしつつあるiZotopeですが、プラグインへの考え方が非常に興味深いんですよね。RockoNさんのProceed Magazine にインタビュー記事があったので、ちょっと紹介してみたいと思います。


iZotope の社長はこの人

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iZotope CEO Mark Ethier( @ markethier )

iZotopeは、音楽学校最高峰のひとつバークリー音楽大学や、ニューイングランド音学院を有するボストンに本拠地を置いてます。ボストンにはiZotopeの他にもAVID、Motu、Cakewalkなどがあって、正に音楽の街。

CEOのMark Ethier(以下マーク)自身は、ノーベル賞受賞者を多く排出するマサチューセッツ工科大学(MIT)出身の超エリート。つまり秀才です。

MITには音楽とコンピューターサイエンスの学科があり、私たちは音楽科の学生で、クラシック科でした。私はピアノを弾き、学位は作曲家で取得しています。
 
もう現代音楽の申し子みたいな学歴過ぎて脱帽w

音楽と科学はとても相性がいい
ozone

音楽と科学はとても相性がいいと思います。私はピアニスト、キーボード・プレイヤーであり、よくライブでシンセサイザーを演奏しました。ですから、音楽の中で使われているテクノロジーにはいつも関心がありました。音楽と数学は1つになると思っています。脳内のクリエイティブな部分とロジカルな部分の融合で、レコーディングや音楽制作、オーディオ・エフェクトなど数学的に高度な処理が必要なことも、その動機になるのは音楽への関心があるからです。


「音楽は科学だ」「音楽は数学だ」と表現されることがあります。しかしそれは全てのミュージシャンにとって簡単に理解できることではないはずです。 そもそも科学とは?って話。

マーク自身はミュージシャンであり、理系のエリートなので、両方の面から「楽曲制作全般」を深く理解し、ユーザーにとって必要なものを、自分自身の体験を通して知っているんですよね。

どうしようもない音楽好きが、MITで教育を受けて、こんなプラグインがあったら良いよね?作っちゃおうかっていう感じで生まれたのがiZotopeのプラグインなんです。そりゃかゆいところに手が届きますよね。


ちなみに、森博嗣さんの本を読めば「科学的」がわかりますよ。めちゃ面白くて為になります。



数学的な部分をシンプルに
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音楽的な経験はクリエイティブな領域のものです。対して、それを理解するのは科学的な側面です。これがマスタリングに関する難しい部分です。
 
音楽制作において、障壁となるものは人それぞれだと思いますが、とりわけ「ミキシング」及び「マスタリング」が苦手!というDTMerは多いのではないでしょうか? はい、ぼくです。

エンジニアに依頼すれば済む話なのですが、お金もかかりますし、願わくば1人で完パケできるのが理想ですよね。

マークは「マスタリング」や「ミキシング」を科学的な分析が必要と考えていて、多くのミュージシャンはこれが苦手なんじゃないかと。感覚だけではなく、 科学的に考察、アプローチを行う ことで結果的にクリエイティブにすることができると言っているわけです。

ディザー、サンプルレート・コンバージョン、リミッティング、エンコード等々。これらはすべて数学的なもので、私たちには理解しやすいものでしたが、多くのミュージシャンにとっては非常に難解な部分でした。
 

私たちはマスタリングに関する数学的な部分をシンプルにすることで、多くの人にやりたいことを実現できるツールを提供したかったのです。
 
iZotopeの製品はひとつの処理でも、裏では色々な処理がされていて、ユーザーにとって最適であろう調整が施されているとのこと。言い方は悪いですが、チート的な部分もあるということです。

Wavesのプラグインにも通ずるものがありますね。ワンタッチで色んな処理を行えるシグネイチャーシリーズ OneKnob シリーズなど。

しかし、その部分をどう捉えるかです。徹底的に自分の意志ですべてをコントロールしたいのか、細かな処理はプラグインに任せて、よりクリテイティブな決断に時間を費やすのか。

iZotopeの答えは後者。細かな処理はプラグインに任せようと。その方がクリエイティブになれると提唱しているわけですね。優秀なエンジニア、アドバイザーを雇うことに似てる?

すべての人をクリエイティブにしたい
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オートマティックにできることはますます増えていくでしょう。私たちのフィロソフィーは「すべての人をクリエイティブにしたい。」ということです。ですから、コンピューターがオートマティックにできることがあるなら、私たちはそれを実現しようとします。だって、ノイズ除去が楽しい人なんていないでしょう?仕方なくやっているはずです。それよりもクリエイティブな決断を下したり、ミックスをしたり、そういう部分の方が楽しいはずですよね!
 

私たちのミッションは人々をクリエイティブな方向へインスパイアし、導くことです。ユーザーはプロダクトの使い方について知識を必要としていて、私たちはエデュケーション・プログラムを実施し、たくさんの目に見える具体的なフィードバックを提供したいと考えています。
 
音楽と科学(数学)の垣根をとっぱらって融合させたい、ややこしい部分は自動化してシンプルにクリエイティブになって欲しい、マークの言葉からはそういった思いが伝わってきます。

テクノロジーの進歩を受け入れるかどうかは人それぞれ自由です。

受け入れない方は、それを必要としない、もしくはそんなものに頼るのは間違っていると考える方もいると思います。

一方で、テクノロジーのおかげでスキルを補ったり、マークの言っているようにクリエイティブなことに集中することができる方もいることでしょう。


Neutronは使うだけでミックスが完璧に仕上がるわけではありません。あくまでアシストというか、どういう方向に進んだら良いのかを示してくれるものです。そこからは個性や更なるクリエイティブの勝負となるでしょう・・・と言いつつまだまだ勉強中w

iZotopeは我々の音楽ライフをより豊かに、よりクリエイティブにしてくれることと期待しています。そのうち全自動マスタリングとかミキシングとか出てきそうですね。


ではでは。





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