どんなに高機能で質が高くとも、使い方が分からない道具はただの物体。
シンセサイザーは音楽経験者であっても、ジャンル的に使用しないという方や、そもそも興味がない方からすれば「よくわからない」という話を聞きます。
耳慣れない専門用語や、操作する項目が複雑で数も多も多いため、初心者の方にはなおのことハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。
なので”分かりやすさ”というのはそれだけで大きなアドバンテージなんですよね。
というわけで今回ご紹介するシンセサイザーCircle2は、分かりやすさ、使いやすさにおいて強くオススメできます。
数値やパラメーターを極力なくした、視認性の良い直感操作、そしてなによりポップな見た目が楽しい気分にさせてくれる、頼もしいヤツ。
※この記事は2019年12月15日に投稿されたものに、加筆修正しました。
Circle 2
Circle2の最大のアドバンテージは「どうやって音が鳴っているか」音の構造が一目で把握しやすいところ。
鳴っている音を、目と耳で同時に確認することによって、状況把握しやすく、理解が進みます。
Circle2が予想以上に良くて面白い。これはシンセ初心者は理解が進むと思う。操作性も良いし、わかりやすい。 pic.twitter.com/aVf646Kjrq
— ゆにばす(シンセサイザー/ゲーム音楽) (@universe_ex) 2017年3月5日
波形が動いたり、オシロスコープ的なモノは他のシンセでもありますが、ここまでわかりやすく、カラフルに動きが見えるものはなかなかありません。
エンベロープジェネレーター(ADSR)のどの部分を音が進んでいるのか、音量、ピッチ、フィルターがどういったスピードで変化しているのかがリアルタイムで一目瞭然。
音と連動して視覚的に認識できます。
LFOのスピードも音とグラフィックの効果が連動していて、見ていて楽しい。
快適な操作性
プリセットマネージャーは、「class」「type」「style」のカテゴリでフィルタリングして、目的の音に素早く辿り着けるようになっています。
年代別でカテゴライズしてくれる「style」がユニークです。
カラオケの年代別選曲のような機能で面白いですね。
しっかり年代を捉えていて「あーそうだよね、こんな音!」ってなるなるw
音色を選択したあとはキーボードの矢印キー上下で切り替わるので、Enter押したりしなくて良いんですよね。一手少ないのって大事。
右手で上下、左手でMIDIキーボードを鳴らしつつプレビューするという快適な使い方ができますぞ。
あとは、音色切り替え時の極端なCPU負荷もないので、ガシガシやっても大丈夫なのも嬉しいところ。
色で識別するモジュール接続
色分けされたオシレーター、エンベロープなどをドラッグ&ドロップで簡単にモジュール接続できます。
しかも色分けされているので、どこをどう接続したのかが識別しやすい。
使いやすい素直な音
肝心の音ですが、クセがなく非常に扱いやすい音です。
複雑な機能こそありませんが、プリセットを聴いてもらえばわかるように、シンプルながらも幅広いキャラクターを表現可能。
偏った主張もないので、楽曲にも馴染みやすい。
独自の音源方式VPS搭載
VPSとはVector Phase Shapingの略で、シンセに取り入れられたのはCircleが初とのこと。今となってはそれほど驚く機能ではありませんね。
オシレーターはVPSの他に、基本波形のアナログオシレーターと豊富なウェーブテーブルから成り立っています。
ウェーブテーブルは2つの波形を選択し、モーフィングし波形の形を変えることもできます。
さいごに
触っていてシンプルに楽しいです。カラフルながらも黒を基調にした、洗練されたGUIも好感が持てますし、なにより操作性が良い。
シンセサイザー初心者へのファーストシンセとしてもオススメできますね。
まとめると次のような感じです。
- 教材のように分かりやすいGUI
- 素直で扱いやすいスタンダードな音
- 少ない手順、直感で理解しやすい操作性
- 多過ぎず、少な過ぎない機能
- 軽めの負荷(激軽とまでは言えない)
中級・上級者は少々物足りないかもしれませんが、楽しいシンセです。
音も素直で、即戦力。
ではでは。
Future Audio Workshop Circle 2