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音楽家必携の書「とーくばっく」著者、David Shimamoto氏インタビュー②

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「とーくばっく」の著者、David Shimamotoさんにインタビューを行いました。

どんな方か気になっている方も多いのではないでしょうか? 「とーくばっく」とは著名な方々も推薦されている、音を生業に趣味にしている音楽人であれば必携の教本です。

METAFIVEメンバーでいらっしゃるゴンドウトモヒコさんも推薦されています。

「ダブルカセットで宅録を始めて今まで全てが我流、この本を読んでかなりモヤモヤして悩んでたものが無くなりました。 それは”録音のレベルについて”です。

 
METAFIVE(高橋幸宏 × 小山田圭吾 × 砂原良徳 × TOWA TEI × ゴンドウトモヒコ × LEO今井)
 
今回はShimamotoさんの経歴や現在のお仕事、そして使用機材に至るまで細かくインタビューすることができました。

「とーくばっく」の読者はもちろん、「とーくばっく」の購入を検討されている方、是非是非読んでみてください。

全5回です。

音楽家必携の書「とーくばっく」著者、David Shimamoto氏インタビュー①

音楽家必携の書「とーくばっく」著者、David Shimamoto氏インタビュー③

音楽家必携の書「とーくばっく」著者、David Shimamoto氏インタビュー④

音楽家必携の書「とーくばっく」著者、David Shimamoto氏インタビュー⑤

使用機材について

StudioFull

 

それでは機材についてお聞きします。まずはこの真紅の空間について教えて頂けますか?かなりチューニングされているように見えますが・・・。

 
 

 
一般的な木造家屋の6畳間をベースに、床以外の4面と天井には、ほぼ隙間なく防音シートと5cm厚のグラスウールボードを貼り、上からクロスを貼っています。
 
窓は二重窓になっています。防音(外部からの音の出入り)はハナから諦めて、せめてスピーカーの音は正確に聴こえるよう吸音に重きを置いたセッティングになっています。
 
他にSONEXのベーストラップを部屋のカドに積んでいますが、これは若気の至りで導入したところもあり、効果があるかどうか、あるいは自分の再生機器が必要としているかは正直よくわかりません。

 
 

 

やはり機材の性能を引き出すには環境が重要と聞きますが、かなり徹底されていますね。デスクの後ろにカーテンがありますが、これも吸音目的ですか?

 
 

 

遮音カーテン…だったと思うのですが、タダの遮光カーテンだったかもしれません。日の出が差すので、紫外線から愛機を守るため常時閉めています。カーテンの裏も壁と同様に5cm厚のグラスウールボードを置いています。

 
 

 

カーテンの裏もボードがあるんですね。抜かりないなぁ・・。で、それからどうしても・・・スピーカーに目がいってしまいますね。

 
 

 
メインで「Musikelectronic RL906」を使用しています。これは、20年近いお付き合いになる同郷の友人であるMORGの門垣君の勧めで導入しました。
 
それまで使っていたモデルに飽きて代替品を探していたとき、ちょうどスタジオメンテで空いているペアを2,3日貸してもらえることになりまして。持ち帰って聴いてみたところ、一耳惚れしました。

 
 

 

音に拘りをもつDTMerは「いつかはMusik」的な憧れを持っている人もいるかと思うのですが、他のスピーカーとの違いは何でしょうか?

 
 

 
私見ですが、モニタースピーカにはいくつかのレベルがあり、
Lv.1=ミックスの良し悪しが判断できるもの
Lv.2=良し悪しを決定づける要因が即座に指摘できるもの
の間には大きな隔たりがあるように思います。
 
おそらくその加えてLv.3以降には、見つけた問題に対処する作業のしやすさなどもポイントとしてあるのでしょうが。 
 
RL906は実際に自分の環境で鳴らしてみて部屋にマッチしているように感じたのと、多くの方がお使いなので安心かと思い、わりと勢いで選びました。 
 
なので同価格帯の他と比べてどうとは言いにくいのですが、少なくともそれまでに試したどのニアフィールドよりも、長年市販楽曲に対して疑問に感じていたイロイロが見えるように感じました。 
 
それまでメインボーカルに薄っすらとコーラスが掛かっているのに全然気づけなかった盤があったことが判ったり。

 
 

 

そう聞くとやはり良いモニター環境を構築することが良い音を作る最も近道というのは間違いなさそうですね。それに生産性も上がりそう・・・技術さえあれば。

 
 

 
海外のTipsなどで、ミックスやマスタリングに対する基本姿勢として「どのような環境でも破綻しないことがあらかじめわかっている楽曲をリファレンスに選び、ストイックにそのバランスに近付ける」アプローチが紹介されているのをよく見かけます。
 
ミックスのバイブルと評価の高いMike Senior氏の著書 “Mixing Secrets of the Small Studio”では、マイ・リファレンス・ライブラリの構築手順についてまるまる冒頭の章が割かれているほどです。
 
この概念はRL906クラスのものを導入して初めて、感覚的に理解できたように思います。

 
StudioDesk1

 

欲しくなる要素が詰まり過ぎてて、もうすっかりRL906が欲しくなってしまいました・・・。他のスピーカーは検討しなかったんですか?

 
 

 
実はその少し前に、楽器店で試聴したEVE(確かSC208)にほぼ決めていたのですが、念のためにとデモ機を取り寄せたところ、低音が暴れて我が家の環境では使いものになりませんでした。
 
マニュアルを見ると、基本的にはリスニングポジションから2~3m離れた場所への設置を推奨、とありました。でもそんなもの、6畳間では配置しようがないじゃないですか。
ある程度の径があるスピーカは、ちゃんと使用環境でテストしてから選ぶことの重要性を学びました。
 
あわや高い勉強代を支払うところだったかもしれません。
Musikもたいがい高くつきましたが…商用スタジオでもそこそこ使われており、資産価値もあるならいいかな、と。

 
 
 

 

ほとんどの宅録DTMerが、6畳前後のスペースだと思いますからとても参考になります。それにしても羨ましい限りです。サブモニターがひとつしかありませんが、これはどういうことですか?

 
 

 
Avantone Active Mixcubeですね。いわゆるAuratoneクローンです。これは先述のMike Senior氏が著書で強く勧めていたので導入しました。 
 
「想定しうる最悪のシステムを再現する装置」と誤解されがちですが、ユーザとしてはそれとも少し違うように思います。ロー&ハイが全然出ない代わりに、それ以外の帯域の解像度が非常に高いです。
 
特にActiveMixCubeは、いくつかあるAuratone代替品の中でも特殊で、むしろハイファイだという評はよく見かけます。 
 
これでアンサンブルの柱となるパートが埋もれずグルーヴなどの音楽性が損なわれていなければ、大抵の再生環境における失敗は回避できると思います。
 
用途はやや特殊ですが、解像度あたりの価格なるものがあるとすれば、おそろしくコストパフォーマンスの高い製品だと思います。
 
とはいえ、自分はMonoでしか使うことがないだろうと判断し、かなり以前にペアの片方は売却しました。

 
 

 

Avantone Active Mixcubeをサブスピーカーで入れたくなってきました・・・。導入するとなればもちろんステレオですが、ミキシング・マスタリング用途のサブスピーカーとしても効果は見込めますか?

 
 

 

ミックス用のサブとしては強くお勧めできます。マイクでもなんでもそうですが、業務クラスの機材って上を見ればキリがないじゃないですか。その点、用途は特殊ではありますけど業務レベルのモニタ機器としては破格で入手できるわけですし。

 
 

 

なるほど、他の機材との併用前提で用途を絞り高い効果を狙っていけそうです。RL906の下に敷いてあるボードはどこのメーカーのものですか?

 
 

 

スピーカのアイソレーションパッドはAuralex ProPADです。 インシュレータ類は好き好きの部分も多いのでこれまであまり目を向けてこなかったのですが、近頃話題の某インシュレータは多くの方が絶賛されているので気にはなっています。

 
 

 
某インシュレーターはぼくも気になってますw
ケーブルは何を使用されていますか?

 
 

 
ケーブル類は、数は少ないながら(I/Fからモニコンまで1ペア、モニコンから3台のスピーカへ各1本)あるメーカの物で揃えています。ただ炎上案件の予感がするので詳細はご容赦ください…(苦笑)
 
おそらく悪いものではないであろうことだけ申しておきます。
 
アナログアウトボードを使うためにDA/ADするのであればケーブル周りにこだわる必要もあるのでしょうが、ケーブルによる影響がどうであれとりあえず必要なものが見えさえすれば、リファレンスに近付ける作業はできるので神経を使わなくて済むのもIn-the-boxにこだわる理由のひとつです。

 
 
 
その③へつづく⇨こちら
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